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友禅染めの職人である哲三と近藤勇の交流を中心に、勇の斬首までが描かれている2月に文庫化されたばかりの小説。
読み終えて感じたのは、なんか全体に目新しさがない、ということ。 題名のわりにはそれほど艶っぽい場面も多くないし、お雪・お孝姉妹も出てくるが特に修羅場という場面もないし。 文章は特に凝った表現が使われていることもなく読みやすいといえば読みやすいし、芹沢鴨らの粛清や池田屋などの主な事件の経過についても上手くまとめられているとは思うが、何か物足りない印象を受けた。 「近藤勇暗殺指令」というタイトルを改題。 どっちにしてもあまりセンスの良い題名ではないなあ。 |
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芹沢鴨や谷三十郎の暗殺、六角獄の政治犯惨殺などの事件の真犯人を、新選組の探偵方となった沖田総司と島田魁が追う。
全七話のミステリー風短編集。 島田はともかく一番隊長の沖田が探偵なんかやってるヒマがあるのか?という疑問はさておき、それぞれの事件の真相を新解釈(?)で描いている。 また鴨の件で知り合ったお菊さんとの仲もこれまた斬新。 話はなかなか面白かったけど、どーも沖田が探偵方っていうのはなんとなくしっくりこない。 原田左ノ助なんかと一緒で、沖田がこまごまと調べて歩いたり推理したりするのって一番向いてないような気がする。 えええぃ面倒くさいたたっ斬っちまえ!みたいな感じで…。 ![]() 新選組探偵方 |
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「ひってん敦盛」とよばれた土方歳三の、日野時代から芹沢暗殺の手前頃まで。全3冊。
副題は1「試斬」、2「壬生狼」、3「新撰組」となっている。 ちなみに「ひってん」とは無一物でなにもないこと、とか貧乏という意味。 「敦盛」は一の谷で討ち死にした平家の武将。享年16で、美男で有名だったらしい。 ![]() 土方歳三〈1〉試斬 (徳間文庫) 土方がモテると言いたいのはわかるが、そんなにページ数も多くない1冊目だけで10回以上もいろんな女とやってる。 やりすぎ。 以前読んだ「剣鬼・岡田以蔵」もこんな感じだった。この人の小説はみんなこんななのか? 回数だけ言えばほとんどエロ本かと思うが、「あー」と声をあげた、とか「いきます」と声をあげる、とかいう表現ばっかりでなんかいつも同じ。 書くのがめんどうなら少し減らせばいいのに。 ![]() 土方歳三〈2〉壬生狼 自分のことを「わし」という土方。 近藤勇より芹沢の方が好きだという土方。 永倉新八や斉藤一を「さん」付けで呼ぶ土方。 ところどころけっこうユニークだ。 あとがきによれば、資料は読んだが人の描いた新選組の小説は一切読まなかったという。自分なりの土方像を作りたかったということらしい。 ![]() 土方歳三〈3〉新撰組 情交場面が多すぎるほかはなかなか面白かったと思うのだが、全10冊ぐらいの予定が3冊が出版されたところで作者が亡くなってしまった。 芹沢を消した後の近藤と土方のやりとりとか、どうなっていくのかちょっと楽しみだったのだが。 もう少し読みたかったけど…、残念。 |
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新選組屯所が西本願寺に移った頃、新選組局長近藤勇と意気投合した将軍家奥医師、松本良順は前ぶれも無く屯所を訪れ、隊士を診察する。
労咳と診断された沖田は蘭方医豊岡正庵を紹介され、娘のおしのや、自分と同じ労咳の少女おゆきと出会う。 この作者の新選組ものは、土方をはじめ山崎蒸にしても井上源さんも、みな人情派というかなんかやさしい。 また、土方の「何をつまらねえことをいっていやがるのだ」とか「こいつ、阿呆でねえのかよ」とかいつまでも多摩の悪ガキっぽい口調がとても気に入っている。 沖田総司の女性関係について。 この小説は松本良順の記録をかなり参考にしているらしく、良順の手記にも「沖田総司は清童」と書かれているらしい。 清童という言葉は辞書には無かったが、おそらく童貞ということだろう。 また、試衛館時代に下働きの女からのプロポーズを断ったかというエピソードが伝わっていたり、子供好きということから、いつも子供と遊んでいる→精神年齢が幼い→女性に性的興味が無い、という連想になるのだろうか。 女性に限らず何事にもこだわらない淡白な人のようには思うが、当時の普通の男性程度には遊んでいたように思うのだが。 |
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宮川勝太、16歳。
勝太は幼なじみの百姓の娘おえいが、自分の主筋と信じ込んでいる。天然理心流3代目近藤周助の養子になり江戸へ向かう日、別れ際に藪の竹を切り落とし、一輪指しを作っておえいに渡す。 時はたち、子もできて30を過ぎた頃、おえいは京を騒がせていた新選組の長があの勝太だったと知る。 勝太はおえいに、家来の証として突然股間の一物を見せる。さらに江戸へ出る前にもう一度。 なぜ忠義のしるしがちんちんなんだ。 口説くわけではなく、押し倒すわけでもなし。ただ見せつける。 勇、ヘンなヤツ。 幼い頃から不器用で、思い込んだら一途な勇の姿が可笑しい一話。 この本は、雑誌に掲載されたままで、単行本に掲載されていなかった短編を最近(2005年)にまとめたものらしい。 他には新選組に暗殺された大阪奉行所の内山彦次郎の敵討ちを計る、日頃はおだやかな同心庄之助を描いた表題作「侍はこわい」や、豪傑だがとにかくツイて無い男の物語り「豪傑と小壺」など8篇。 なかでも犬猫を師匠とし、土間にじかに寝るのが修行だというとびきりヘンな侍の話、「みょうが斎の武術」が落語っぽくて一番好きだ。 |
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文久3年9月18日、雨。
四条の木綿問屋、菱屋の妾お梅はまた壬生浪士の屯所に来てしまった。芹沢鴨の女になって以来周囲がよそよそしく、つい屯所に足を向けてしまう。 芹沢を待つことにしたお梅に、土方は再三帰宅を促すのだが…。 7編の短編集の表題作。 芹沢派暗殺の一日がお梅の目を通して描かれている。非常に短い作品で登場人物も少ない。 本当はお互いが気にかかっているお梅と歳三だが想いは伝わらず、ついに悲劇を迎える。 暗殺者の刀に傷ついたお梅の最後の願いがとても哀しい。 ![]() 降りしきる (講談社文庫) |
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剣道部女子部主将で剣道2段の加納志保と彼女に惹かれている後輩の山川俊介は、キスをしたことにより文久2年の江戸へタイムスリップしてしまう。
沖田総司に介抱され試衛館へ連れられた2人は近藤勇や食客の面々と、また道場破りに現れた女流剣士の池野和香らと知り合う。 現代に戻ろうとキスを繰り返す2人は、京の壬生屯所へ、鳥羽伏見の戦いの中へ、さらに江戸へ向かう富士山丸へと移動していく。 一応タイムスリップSFの形なのだが、内容はしっかりポルノ小説。 「新選組」の文字が書いてある本を見つけると中身も確かめずにつかんでしまうという悪いクセで、ポルノとは知らずに買ってしまった(ホントです)。 童貞だった俊介が、志保や和香、さらには新選組に捕らえられた芸妓、乙松らと変態っぽく絡んでいく。こいつ嗜好がオヤジだ。 ああ恥ずかしい。 |
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藤堂平助が人を斬ったところを偶然目撃した土方歳三は、彼を試衛館に連れ帰る。
食客になり土方を慕う平助は、清河八郎から浪士組の話を聞き、試衛館の面々と共に京へ向かう。 今月(11月10日)に文庫化されたばかり。 藤堂平助が主人公の作品は珍しい。ほかには1作しか知らない。 伝わっている性格や行動に癖がなさ過ぎて小説になりにくいのだろうか。 藤堂家の落胤でありながら、極度の貧困にあえいでいた過去。 出生の秘密に、島原の遊女に、また、友人のいる水戸天狗党の惨殺に、平助は悩み続ける。 平助のこういう描かれ方は、はじめてみる。 たいていはやんちゃな、江戸っ子で口は悪いがさっぱりしたやつといったイメージなのだが。 土方との交わりもなかなか微妙。BL方面に行ってしまうのかと思った。 平助に限らず、この作者は登場人物すべてに対してとても優しいように思う。皆どことなく繊細で、やわらかい。 ![]() 新選組藤堂平助 (文春文庫 (あ44-2)) |
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剣は心形刀流、槍は種田流の免許皆伝で、体格も慎重182センチ、体重169キロという大男の島田魁(さきがけ)は、旧知の友人永倉新八に誘われ新選組に入隊する。
やがて隊の調役並監察に任じられた魁は、隊務のため移り住むことになった仏具商丹波屋の養女おさとと惹かれ合う。 隊のあり方に疑問を感じながらも生真面目に隊務を続けていく魁だが、混乱する時代は次第に倒幕へと流れて行く。 薩長勢との戦いに向かう前、魁は京に残していくおさとに伝える。 「いつか還ってくる。きっと還ってくるとも」 島田魁の、真面目で不器用な生き方が好ましい。 酒が飲めず、女に疎く口下手で、筋の通らぬことが嫌い。また剣の手ほどきを受けた永倉新八に対する友情の厚さ。 いい人だなあ、魁さん。 この小説では近藤勇がけっこう嫌なやつで、思い上がった言動を雇い主の松平容保に訴えた永倉や島田を後々まで邪険に扱う。 冷酷で陰険に描かれることが多い土方は、逆になんだかさっぱりしていて優しかったりする。 隊士歴はかなり長く、新選組の主だった事件に参加しきっちり働いているにも拘らずなぜか地味な印象だけど、なんかいいなぁこの人。 |
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歴史をゆがめた坂本龍馬を追うため蘇生させられた沖田総司は、古代ギリシャへ送られる。
同じ使命をうけたアンネ・フランク、マタハリにヘラクレスらを加え、ギリシャから古代中国へと追跡と冒険の旅は続く。 沖田総司が主人公なのでとりあえず新選組の小説に分類したが、内容はタイムスリップものか。 ギリシャ編では、ほかにテーセウスとかイカロスとかパリスとか、神話に親しんでる人にはおなじみの人々(神々?)が登場。発掘で有名なシュリーマンも絡む。 2巻目の途中から中国編に移り、こちらではマルコ・ポーロが出てくる。 中国の人物に関しては伝説上の人なのか実在した人か、まったく架空の人物なのかぜんぜんわからん。 タイムスリップですから、誰が出てきて何をしようがしまいが、始めっから荒唐無稽は当たり前。 沖田総司やヘラクレスらの暴れっぷりを、ややこしいことは考えずに楽しめた。 |
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