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あぁ、阪神タイガース―負ける理由、勝つ理由  (野村克也) 
このチームを応援し始めたのは村山実投手が監督を兼任していた頃だった。
あんなに腹の出た選手がごろごろいるスポーツ集団は、格闘技系を除けば砲丸投げとか重量上げくらいしか思いつかないという、それはとんでもないチームだった。
V9真っ最中の、管理・統制されたジャイアンツの敵役として、選手それぞれが好き勝手に野球をやっているような個性派集団に、東京に生まれ育っていながらなぜか憧れた。

まさかこの人がこのチームの監督を引き受けるとは思わなかった。
選手にしてみれば、ジャイアンツの投手出身のH氏や、2塁手だったD氏等と共にに監督になってほしくない人じゃないかと思われる「月見草」野村克也氏だが、この本の内容・文章ともに非常に読みやすく、判りやすい。
これであのイヤミとか皮肉とかぼやきとかくだらないシャレとかあの嫁さんとかがなければ優れた選手がもっとたくさん育てられただろうに。

監督が野村氏から星野氏に変わった2002年以降は4位・1位・4位・1位・2位・3位とまずまずの成績を残し、今年も今のところ1位の座を守っている。野村監督の遺産も多少はあるのかも。
ただし長い長いこのチームの歴史の中で、複数年連続して監督を務め、最下位だけというのは野村氏ただ一人。勝ってなんぼ、結果がすべてのプロスポーツの監督としてこの成績はいかがなものか。
本書にも書いてあるが、監督が途中であきらめちゃダメでしょうが。
エッセイ

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女たちよ! (伊丹十三) 
この本を初めて読んだのはまだ中学生か高校に入ったばかりの頃だったと思う。
映画と音楽とスポーツ以外は海外の文化、とくにファッションや食生活などには何の興味もない頃だった。
この本に出てくるカマンベールチーズもクレソンもクラブハウスサンドウィッチも、またシャネルやエルメスなんていうのも、どっかで聞いたことあるなあという程度。
「竜馬がゆく」などと共に、5〜6年に一度くらい読み直す、まあ愛読書の中のひとつなのだが、読み直す度にああこれはこういうことだったのかと納得し、また恋愛関係の話に限らず読んだときの年齢によって思うこと感じることが変化していくのが楽しい。

著者がこの本を書いたのはおそらく30代の半ばと思われるが、スパゲティのゆで方、車の運転の仕方からTVの見方まで、こうでなくてはならぬ、あるいはこれだけは絶対に許せぬ(バリエーション多数)など、見事な頑固ジジイぶりを発揮している。
3〜4本見た著者監督の映画は残念ながら少しも面白いと思わなかった(特にあのホラー映画はひどかった)が、この一冊に限らずエッセイに関してはいつ読んでも楽しめる。
本当にジジイになった著者の偏屈ぶりを見たかったが、惜しい人をなくしたとまた読み直してしみじみ思う。

エッセイ

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新選組流血録 壬生狼 (園田光慶) 
新選組の創世記を作った男、芹沢鴨。
1981〜2年にリイドコミックに連載されていた作品の再編集版で、コンビニで売ってた。

表紙に書いてあるように、なかなかハードボイルドな感じ。
末期の瘡(梅毒ね)に犯された鴨が、近藤勇の頼みによって新選組初期の汚い仕事を引き受ける、ということになるのだが、こんなにまともでかっこいい鴨さんは
初めて見た。
そのかわりに汚いのは勝海舟で、ホントに軽薄でイヤな奴に描かれている。

土方があまり出てこないのと、山南さんだけが余りに貧乏くさく描かれているのが少し不満。
あと、新見錦が隻眼なのはまあご愛嬌というところか。

MIBURO

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新選組の漫画

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一度も植民地になったことがない日本 (デュラン・れい子) 
本書は、第二次大戦後までの欧米諸国の植民地政策や、奴隷制度などの歴史を丁寧に調べ綴ったもの……では全然ない。
スウェーデン人の夫を持ち、版画家として海外で活躍している作者の、友人や仕事先で出会った外国人とのかかわりの中で感じた異文化論というところか。
この本も例によって悪い癖で、植民地支配の関係の本かとタイトルにひかれ買ってしまった。

購入した思惑とは違ったが、内容はなかなか興味深い。
日本人のこの習慣が変だとかヨーロッパのどこそこの文化はすばらしいとかばかりではなく日本独特の文化・文物があり、習慣についても良いも悪いもなく、ただ「違う」としか言い様がないことも多々あると再認識させられる。

オビの文曰く、「10万分突破!あれよあれよのベストセラー!!」だそうで、日本人はやっぱり他国の評判を気にしがちな国民なんだろうか。(ああ、自分もその一人か)

特に第6章の、「日本人は子どものしつけを知らない」という箇所には激しく頷きながら読んだ。
最近駄々をこねたり大声で騒いでいる子どもをたたいている親をほとんど見かけなくなったので、大げさではなく日本の将来がとても心配。
「子どもは動物だから、小さいうちからよくしつけなくては」というヨーロッパ人の女性の意見には大賛成だ。
ただし、小さいうちからよくしつけられたヨーロッパ人がみんなよい大人になっているかというと、これはまた別の話なんだろうけれどね。

エッセイ

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色散華 (岳 真也) 
友禅染めの職人である哲三と近藤勇の交流を中心に、勇の斬首までが描かれている2月に文庫化されたばかりの小説。
読み終えて感じたのは、なんか全体に目新しさがない、ということ。
題名のわりにはそれほど艶っぽい場面も多くないし、お雪・お孝姉妹も出てくるが特に修羅場という場面もないし。

文章は特に凝った表現が使われていることもなく読みやすいといえば読みやすいし、芹沢鴨らの粛清や池田屋などの主な事件の経過についても上手くまとめられているとは思うが、何か物足りない印象を受けた。

「近藤勇暗殺指令」というタイトルを改題。
どっちにしてもあまりセンスの良い題名ではないなあ。

新選組

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今、殺りにゆきます (平山夢明) 
「超」怖い話や東京伝説シリーズの著者の作で、2007年度版「このミステリーがすごい!」の1位を受賞している短編集。
内容は、超常現象とかいわゆる幽霊の話ではなく、生きている人間の狂気の世界が描かれている。
胃液が上がってきそうな話が盛りだくさん。
しかも全部実話だそうで。

偽医者に殺されかける話や、団地の屋上から自分を狙ってテレビが落とされる話などなどとんでもない内容ばかりだが、やはり監禁されたり家に入り込まれて暴力を受けるとか留守の間に自分の部屋に忍び込まれるような話が一番嫌だ(そのテの話が多い)。

ほんとに全部実話とは信じられないような話ばかりだが、そうだとすれば身を守るなんて不可能なのでは、と絶望的な気分になってしまう。
警察は実害がなければなかなか動いてくれないみたいだし。

ブログのコメントがどんどん異常になりつきまとわれる話も出ている。
書き込みや写真については個人が特定されないようにくれぐれもご注意を。

未分類

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町長選挙 (奥田英朗) 
伊良部シリーズ第3弾。
先日読んだ2作目がとても面白かったので、文庫化を待てずに購入。

今回の患者は、新聞社の会長にして人気野球チームのオーナー、急成長したIT企業の社長、それから歌劇団出身のカリスマ女優。
それぞれ、少し読んだだけで誰がモデルなのかすぐわかる。こんなこと書いて大丈夫なんだろうか、と思ってしまう箇所がけっこうある。
そして最後の一話は、特定の患者の話ではなく離島での町長選挙をめぐる大混乱で、選挙違反合戦の挙句の決着のつけ方が無茶苦茶。

今回は伊良部よりも看護婦のマユミちゃんのほうが強烈な感じ。
1作目あたりでは冷めていてやる気のないという感じだったのが、パワフルというよりどんどん乱暴になってきている。
彼女のますますの活躍に期待したい。

このシリーズの1作目「イン・ザ・プール」は映画化(DVD有り)、2作目「空中ブランコ」は4月20日から舞台での芝居になっている。
伊良部役は映画のほうが松尾スズキ、舞台は宮迫博之だそうで、両方ともぜんぜん太ってない人。
DVDのほうはちょっと見てみたい気もする。



小説

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六千人の命のビザ (杉原幸子) 
もうだいぶ前に終了したTV番組「知ってるつもり」でこの人物の話を詳しく知り、いつか読んでみたいとおもいつつ10数年。
別の本をさがしているときに偶然見つけて購入。

第2次大戦直前に、ナチスの迫害から逃れるユダヤ人のために6千人分のビザを独断で発行した外交官、杉原千畝とその家族を、苦労を共にした幸子夫人が綴った物語。

ビザの発行がすべて手書きで、疲労した腕を夫人が毎晩マッサージしていたとか、後にイスラエル政府から表彰されたということは覚えていたが、外務省の支持を無視してビザを発行したために外交官をクビになったとか、帰国直後に三男が小児癌でなくなったことなどは記憶していなかった。

他人に優しく、決断力と勇気に優れ、信念を持って行動した千畝氏。
彼の功績を紹介した文章が高校生の英語の教科書に採用されたというのもうなずける。
高校生だけでなく、外務省に限らずすべての役人さんや議員さんたちに読んでもらいたい。

読後エドモンド・ロスチャイルドが書いた巻頭文を読み返し、再度感動のあまりトリハダが立った。
ただひとつ、ところどころに挿入された著者作の短歌が、私のその道の素養の無さ故か、蛇足に感じられた。

6千人
新版 六千人の命のビザ
歴史

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漫画ノート (いしかわじゅん) 
前作「漫画の時間」から約12年、待望の第二弾がついに出た。
待たせすぎ。

この本は、「このマンガが○○○!」みたいな本ではないので要注意。
まず現在連載中の作品や話題のものはあまりない。逆にうわあ懐かしいという作品の話のほうが多いくらい。
作品の批評ももちろんあるが、マンガ家の姿勢や変化・進歩して行く過程などに関する意見とか著者とマンガ家との交流についての話がほとんどで、物足りないと感じる人もいるかもしれない。

いったいどれだけの漫画を著者は読んでいるのだろうか。
「好きなことが仕事」というのはうれしくもしんどいことだろうと思う。
「仕事が好き」というのとは似て非なるもので、テレビ番組の収録や批評のために決められた漫画を何十冊も読まなければならないなんてけっこうつらいだろうなあ。
漫画は読みたいときに読みたいものを読んでこそ快楽なのだと思うが。

内容も興味深いが、装丁もすっきりしていてなかなか美しい。
しかもオビの紹介文をあの大瀧詠一が書いている!
あの方もマンガ好きのひとだったのか。

最近はほとんどコラムニストかコメンテイターのような感じになってしまった著者だが、不定期でもいいから「フロムK」とか「薔薇の木に薔薇の花咲く」のようなマンガをまた描いてほしい。
こけし岳、大好きでした。

エッセイ

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大人の粘土 オーブンクレイ 
いつものようにふらりと立ち寄った本屋さんでこの本を見つけた。
「大人の粘土」のタイトルから目が離せなくなり、喉がぐびぐびと鳴る。
こっ こねたい! 遊びたい!  で購入。

本文48ページのほかにFIMOという粘土赤・黄・白・青がそれぞれ市販のパックの半分ぐらい付属している。
解説によれば粘土細工は三次元形成のプラン作りと両手を使うため前頭葉を刺激してどうとかこうとか、早い話がボケ防止やストレスの解消になるらしい。
とにかく楽しければ良いのだ。
さて、何を作ろうか。

ブレスレットやネックレスとかは本の解説どおりに作ればなんとなく出来てしまいそうで面白くないので、人形を作ることにした。

白い粘土が足りなそうだったので、吉祥寺のユザワヤに行く。
売場に行ってみるとFIMOの品揃えはそんなに多くなかったが、粘土の種類ってこんなにあるのかと驚いた。
自分の子供のころはあの灰色と青を混ぜたような汚い色のでいやな匂いの油粘土ぐらいしかなかったのに。

処女作品は、マンガ「風光る」の斉藤一。
勝手にキャラクターを使ったが、ええい知ったことか。単行本23冊全部買ってるということでカンベンしてもらおう。

7割ぐらい仕上がったところで製作工程を写真にとっておくことに気がついたがもう遅い。工程の撮影は次回のお楽しみ。

色が移りやすいのでとにかく頻繁に手を洗ったが、顔とか頭が少し黒くなってしまった。
それから想像していた以上に埃がつく。これはしょうがないか。

SAITO 01
こんな感じ

SAITO 02
横から見ると

SAITO 03
後ろ姿
家紋は適当


最初の粘土をこね始めてから焼き上がりまでだいたい6時間ぐらいか。
初めてにしてはまあまあだと思うがどうでしょうか。

焼きあがってから細かいところをヤスリで削っても大丈夫みたいだけど、これやりだすとキリがなくなるのでやめておく。

なんだかとっても面白かったので、近々2作目に挑戦するつもり。



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